尿酸について
ほとんどの食材から尿酸が作られますが、肉食動物と違って、人間は尿酸を分解する酵素を持っていません。
そして、尿酸は結晶となって関節に沈着して、痛風というものすごく痛い関節の炎症を起こすだけでなく、腎臓にも沈着して腎機能低下を招くこともあります。
ちなみに、痛風の関節炎の場所が足の親指の付け根が多いことは有名です。
原因について
高尿酸血症は尿酸を作りやすく、出しにくい体質を持った方において、下記のようなきっかけや、状態が続いたときに起きてくるようです。
食べ過ぎ(プリン体を多く含む食品など)
肥満、アルコール摂取、激しい肉体運動、ストレスなど
治療について
とはいうものの、体質の要因が大きく、なかなか生活習慣では下がりにくい印象です。ですので、内服治療をおすすめしています。
食事療法
基本的な考え方としては、プリン体の含有量とかを難しく考えず、カロリーを減らす方向で十分です。
ただ、もともとプリン体摂取量が非常に多い場合は、それを避けることで効率よく下がると思われ、下の表でプリン体含有量が多いものを集中的に摂取している場合はそれをとらないようにするだけで結構下がる方もいるので、参考までに記載しておきます。
基準は400mgを超えないようにする、とのことです。
100gあたりのプリン体含有量
極めて多い |
鶏レバー、イワシの干し物、イサキ白子、あんこう肝酒蒸し |
多い |
豚や牛のレバー、カツオ、マイワシ、大正エビ、マアジ干し物、サンマ干し物 |
少ない |
ウナギ、ワカサギ、豚ロース、牛肩ロース、牛タン、マトン、ボンレスハム、
プレスハム、ベーコン、つみれ、ほうれんそう、カリフラワー |
極めて少ない |
コンビーフ、魚肉ソーセージ、かまぼこ、焼きちくわ、さつま揚げ、かずのこ、すじこ、ウインナーソーセージ、豆腐、牛乳、チーズ、バター、鶏卵、
トウモロコシ、じゃがいも、さつまいも、米飯、パン、うどん、そば、くだもの、キャベツ、トマト、にんじん、大根、白菜、海草類 |
適切な運動をする。健康体重を維持する。
・アルコールは控える。
ビールはプリン体も多い上に、カロリーも高いので肥満を助長するので注意。
尿酸値への影響を考えると、下記ぐらいの目安が望ましい。
日本酒1合、ビール500ml、ウィスキー60mlぐらい。
・ストレスとうまくつきあう。(これが一番難しいかもしれません。)
→よって、生活習慣病の治療となんら変わりません。
基本的にはお薬による治療をおすすめします。
尿酸は尿で捨てられますが、日本人の場合、それが不十分なタイプの方が多いようです。
検尿によって排出が悪いタイプかどうか検討しますが、その際は尿酸の排出を促すお薬を投与します。
この場合は日常的に水分を特に十分にとって下さい。
また、尿酸を作りやすい体質の場合は、その産生を抑えるお薬もありますので、それを使用します。